東北復興支援への取り組み

東北に元気を! 明日を耕すプロジェクト

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2013年度プロジェクトレポート 田んぼ活動報告 皆様からご寄付いただいた支援金を使った、被災地での農業復興支援の様子をレポートとしてお伝えいたします。

  2013年11月23日(土)宮城県本吉郡南三陸町志津川にて
「ふゆみずたんぼ」の準備を取材しました。

この取材の前月(2013年10月)に、味の素冷凍食品の社員もボランティアとして参加して稲刈りを終えたばかりの南三陸町志津川小森熊田にある田んぼ。雪が降る前のこの時期、水を張る湛水(たんすい)という作業を行い、「ふゆみずたんぼ」の準備にとりかかります。

生物の働きを生かす「ふゆみずたんぼ」。

今年度の収穫を終えて、南三陸にもそろそろ冬の気配が感じられる様になってきました。特定非営利活動法人田んぼが推進している「ふゆみずたんぼ」は、稲刈りが終わった水田に通常は水を抜いて乾かすところ、冬期も水を張る農法です。収穫後に土を耕し、土壌生物をさらに豊かにした後に水を張り、おおよそ2月末頃まで状態を維持します。
「『ふゆみずたんぼ』には大きく3つの効果があります」と今回も、特定非営利活動法人田んぼの理事長、岩渕さんに教えていただきました。冬に水を張ることによって起こる効果の1つ目は、土そのものに肥料を与えること。冬に水を張ることによって、菌類やイトミミズが大発生し、稲の切り株やワラがそれらによって分解され、肥料となるのです。「もう少し広い田んぼであれば、ガンやハクチョウが飛来してきて、さらに土を豊かにするんですよ」。2つ目は、雑草の繁殖を防ぐこと。「ふゆみずたんぼ」にはイトミミズやユスリカが多く発生するのですが、これらが土の中の有機物を食べて分解し、微生物の働きが活性化した糞をします。これが、きめ細やかな粒子のトロトロ土の層を作り上げます。1年で数センチ近く堆積し、雑草の繁殖を防ぐのだそうです。そして最後は、害虫駆除の効果。水を張った田んぼには春先、カエルが産卵をします。害虫が発生する頃には、カエルやクモがそれらを食べてくれるのです。「人間が手をかけなくとも、生命の循環を上手に使って、水や土の浄化・再生によって田んぼの機能を改善する働きがあります」と、自然再生手法としての効果を丁寧に教えてくださいました。

特定非営利活動法人 田んぼ理事長 岩渕 成紀様

特定非営利活動法人 田んぼ
理事長 岩渕 成紀 様

子どもが安心して入れる田んぼを目指して。

当日は20人以上のボランティアによって、水を張るための水路の掃除と湛水が行われました。水路の草を刈ったり、スコップを使って掘り直したりしながら水路を修繕。また、田んぼのワラや草を刈り取り、準備を進めました。大人たちが作業をしている間、子どもたちは田んぼの生物調査に奮闘し、賑やかな作業となりました。
「私たちが目指しているのは、米の生産性と生物多様性の向上です。子どもたちが安心して入れる田んぼを守り続けていくこと。そして安全な米を作って行くことを目指しています。『ふゆみずたんぼ』をさまざまな地域で自発的に取り入れてもらえるよう、これからも活動を続けて行きたいと考えています」と岩渕さん。「ふゆみずたんぼ」を核として、生物多様性を高めながら、水田の環境面での付加価値に結びつける取り組みに、今後も注目していきます。

収穫した復興米をいただきました。

水路は枯れ草で覆われている

水路は枯れ草で覆われている

刈るだけではなく堀り直しも

刈るだけではなく堀り直しも

見事水が流れました!

見事水が流れました!

午前中の作業を終えた後、お昼は町内にある「ひころの里」にて昼食。お膳の上でキラキラと輝いていたのは、今年収穫したばかりの「復興米」です。「苗植えから参加していたので、ご飯のおいしさもひとしお」「ササニシキのあっさりした味わいが美味しいですね」と美味しくいただき、子どもから大人まで、おかわりをする人が絶えませんでした。

「ふゆみずたんぼ」は、これから春までは自然の力にお任せ。来年も、美味しい復興米ができることを期待しています。

復興米を存分に味わいました

復興米を存分に味わいました

2013年度 支援先のご紹介
  • 特定非営利活動法人 農商工連携サポートセンター
  • 特定非営利活動法人 田んぼ
  • 特定非営利活動法人 ザ・ピープル